日本の介護問題~これからの日本はどうなる?

介護

日本の介護事情は危機的状況にある。高齢者人口が増加する一方、出生率は減少し続けており、介護人材の不足や離職が深刻化している。このままでは、今後さらに介護ニーズが高まるにもかかわらず、介護サービスの供給が追いつかなくなる恐れがある。どうすれば、日本の介護は持続可能なものになるのだろうか。

なぜ、高齢者が日本は多いのか?

2020年時点で男性は81.41歳、女性は87.45歳となっている。しかし、長寿と健康寿命との差が大きく、要介護や要支援と認定された高齢者は約650万人に上っている。高齢者が増えた理由について、私は以下のように答えられます。                                高齢者が増えた理由は大きく分けて、①年齢階級別の死亡率の低下による65歳以上人口の増加、②少子化の進行による若年人口の減少、の2つです。


年齢階級別の死亡率の低下による65歳以上人口の増加
日本では、生活環境や食生活・栄養状態の改善、医療技術の進歩などにより、平均寿命が延び続けています。2020年時点で男性は81.41歳、女性は87.45歳となっています。しかし、長寿と健康寿命との差が大きく、要介護や要支援と認定された高齢者は約650万人に上っています。これらの要因により、65歳以上人口は増加傾向にあります。
少子化の進行による若年人口の減少
日本では、少子化も進行しており、2020年の出生数は前年より2万9,231人少ない81万1,604人で、1899年の調査開始以来過去最少を記録しました。出生率も1.34と低く推移しており、少子化対策として設定された目標である1.8には程遠いです。少子化によって、現役世代や介護人材が減少し、社会保障費の負担が増加します。


以上のように、高齢者が増えた理由は、死亡率の低下と出生率の低下という2つの要因が重なっていることが分かります。このままでは、日本は国民の半分が高齢者という社会になる可能性があります。日本は高齢化社会に対応するために、介護制度やサービスを改善し、介護人材を確保し育成する必要があります。

介護事情は危機的状況

少子化は介護業界に大きな打撃を与えている。介護職員数は2019年時点で約170万人であるが、2025年には約38万人、2040年には約100万人も不足すると予測されている。また、介護職員の離職率も高く、2019年度では16.2%となっており、低賃金や過重労働などが原因とされている。
政府は介護人材不足に対応するために様々な施策を実施している。例えば、介護職員の賃金を引き上げたり、外国人労働者を受け入れたり、ICTやロボット技術を活用したりすることで、介護現場の負担を軽減しようとしている。しかし、これらの施策だけでは不十分であり、介護の質や専門性を向上させるためにも、教育や研修の充実が必要である。
日本の介護事情は危機的状況にあるが、それは社会全体の問題である。介護は個人や家族だけでなく、地域や企業、行政などが連携して支えるべきものであり、高齢者が尊厳と安心を持って暮らせる社会を実現するためには、介護に対する意識や価値観を変えることが必要である。介護は負担ではなく、人間らしさを表現する機会であり、介護職は社会に貢献するやりがいのある仕事であるということを、もっと広く認識していくことが大切である。



2025年問題とは?

引用:国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来設計人口(令和5年推定)令和5年4月26日公表

2025年問題とは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になることで、介護や医療などの社会保障費が急増し、社会全体に大きな影響を及ぼすと予測されている問題です。介護に関しては、以下のような課題が指摘されています。

2025年は団塊の世代がすべて後期高齢者になる年です。団塊の世代とは、第一次ベビーブームのあった時期である1947〜1949年に生まれた世代のことで、人口がとても多いことが特徴です。団塊の世代は、戦後復興から高度経済成長期、バブル崩壊から平成不況まで、さまざまな時代の変化を経験してきた世代です。団塊の世代は、競争意識や仲間意識が強く、努力は報われるという思考を持っている人が多いです。また、流行に敏感で、若者文化を作り上げてきた世代でもあります。団塊の世代が後期高齢者になることで、医療費や年金などの社会保障制度に大きな影響が出ることが予想されています。団塊の世代は、日本社会に大きな影響を与えてきた世代です。

介護に関しては、以下のような課題が指摘されています。


介護人材不足:2025年には、約38万人の介護職員が不足すると見込まれています。介護施設やサービスの供給が需要に追いつかず、介護難民や孤独死などの問題が増加する恐れがあります。


認知症高齢者の増加:2025年には、高齢者の5人に1人が認知症になり、要介護者が増える見通しとなっています。認知症ケアは専門性やスキルが必要であり、介護人材不足により拍車をかけることが予測されます。


介護保険制度の見直し:2025年には、一定以上の所得がある後期高齢者の医療費自己負担額が2割に引き上げられることとなりました。また、介護保険サービスの利用料や介護保険料の増額も懸念されます。


2025年問題に対応するためには、国や地方自治体だけでなく、個人や家族、地域社会も協力して、介護の予防や在宅支援、地域包括ケアシステムの構築などに取り組む必要があります。また、介護職への待遇改善や教育・研修の充実、外国人労働力の受け入れなども必要です。

2040年問題には日本の人口が1000万人減る?

2040年問題とは何か。それは、2025年から2040年という僅か15年間において、現役人口(20歳ー64歳)が約1,000万人も減少するという問題である。国立社会保障・人口問題研究所の調査「将来人口推計」では、2025年に6,634万人となる現役人口(20歳ー64歳)が、2040年には5,542万人にまで減少するという試算結果になっている。年間平均の減少スピードは約73万人であり、これは1995年から2020年における生産年齢人口の減少スピード(年間平均48万人)よりも大きい値である。この事実は、積極的な移民の受け入れでもしない限り、日本経済は深刻な労働力不足に直面する可能性を示唆する。



介護に関しては、高齢者の増加に伴って介護サービスの需要が高まり、介護人材の不足や待遇の低さなどが深刻化すると懸念されています。
政府は2040年問題に備えるために、介護職員の待遇向上や働きやすい環境づくり、多様な人材確保と育成、介護職の魅力発信、海外労働力の受け入れなどの対策を進めています。しかし、それだけでは不十分であり、介護現場や地域社会も協力して、介護事業の充実化や生産性向上、ICTや介護ロボットの活用などに取り組む必要があります。
2040年問題は、介護だけでなく医療や社会保障、経済などにも大きな影響を与える可能性があります。日本社会は少子高齢化という未曾有の課題に直面しており、今後も変化に対応しながら、すべての人が尊厳と安心を持って暮らせる社会を目指していくことが大切です。65歳以上の高齢者人口は増え続け、2015年に3千万人を超え3459万人。42年に3935万人とピークに達し、その後は微減で65年は3381万人。一方、生産年齢人口は、1995年の8726万人をピークに減り続け2015年は7656万人、65年には4529万人。15年と65年を比べた人口構成比は、高齢者人口がプラス11.8%に対し、生産年齢人口はマイナス9.4%だ。

2040年には千葉県と茨城県が消える⁉

総務省統計局発表の2020年(令和2年)国税調査によると

  • 1位 東京都 14,047,594人
  • 2位 神奈川県 9,237,337人
  • 3位 大阪府 8,837,685人
  • 4位 愛知県 7,542,415人
  • 5位 埼玉県 7,344,765人
  • 6位 千葉県 6,284,480人
  • 7位 兵庫県 5,465,002人
  • 8位 北海道 5,224,614人
  • 9位 静岡県 5,135,214人
  • 10位 茨城県 3,633,202人

生産人口は約1000万人減ると推測されている。その計算で行くと千葉県と茨城県が無くなってしまうぐらいの規模だとご理解頂けたどろうか?数字で言われるとあまり実感がわかないかもしれないが、ものすごい数であることがわかる。

2054年問題

2054年問題とは、生産年齢人口が減少する反面、75歳以上の人口が2054年まで増え続けるという問題です。この問題により、日本は人類の歴史上初めて「超々高齢化社会」となり、財政や社会保障に大きな影響を与えると予想されます。2054年には、全人口の約25%が75歳以上の高齢者となり、国民4人に1人が後期高齢者となるという試算があります。このような状況に対応するためには、健康寿命の増進や移民の受け入れなどの対策が必要とされます。

2070年推計人口と温暖化

引用:国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来設計人口(令和5年推定)令和5年4月26日公表

令和5年4月26日公表
国立社会保障・人口問題研究所の調査によると2020年の1億2615万人から2070年には3割減り、8700万人になると予測されています。また、高齢者が占める割合は38%に達し、子供は今の半分に減ると見込まれています。 これは、財政や社会保障に大きな影響を与えることを意味します。

また、2070年までに世界の多くの地域が人間が住めない環境になるという問題です。
気候変動によって、地球の平均気温は2100年までに3度上昇し、陸上は海上に比べて温暖化のペースが速いことから、人が経験する気温は2070年までに約7.5度上昇すると予測されています。 これは、人類が過去6000年間にわたって住み続けてきた環境や気候の範囲を大きく逸脱することを意味します。

高福祉国家スウェーデンから学ぶ

スウェーデンは、世界有数の高福祉国家として知られていますが、その背景には1930年代の深刻な人口危機があります。当時、スウェーデンの出生率は世界最低水準にまで落ち込み、国民の約半数が「国民がいなくなる」と危機感を抱いていました。しかし、この人口危機を乗り越えるために、スウェーデンは国のあり方を大きく変えることにしました。その結果、スウェーデンは少子化に対応する先進的な社会保障制度や家族政策を築き上げることに成功しました。このことから、日本がスウェーデンから学ぶことが多いことが分かります。日本はスウェーデンのように、人口問題に対する危機感を持って、社会のあり方を見直す必要があると思います。スウェーデンのモデルをそのまま真似するのではなく、日本独自の文化や歴史、現状に合わせて適切に改革し、政府や国民が一体となって、先進的な政策を議論し、実行することが必要だと感じます。



もっと詳しく知りたい方はクリック→「日本が高福祉国家スウェーデンから学ぶこと

まとめ

いかかでしたか?これからの日本はどうなるかというのは、誰にも分からない難しい問題です。ですが、いくつかの予測や見通しを参考にして、可能性を考えてみることはできます。これからの日本は多くの課題や変化に直面することが予想されますが、同時に新たな可能性やチャンスも広がっていることが分かります。あなたは、どんな未来を望んでいますか?私は、あなたが幸せで充実した人生を送れることを願っています。



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